レッテル貼りと安心感
今は、TiMediaServerの更新開発フェーズで、仕上げ作業も進んでいるのでリリースは近い。ただ、動作検証なんかをやっていると、待ち時間が発生するので、ついつい、Twitter検索だとかYouTubeなんかも見てしまう。
このブログでは、過去に、若手のエンジニアの人は、あまり専門用語を使うべきではない! みたいな事を書いてきたりもしているのだが、これは、専門用語を使う事によって、その中身に対する理解が曖昧になったりする危険性があるからだ。
具体的には、素人に専門用語を使って説明すると、素人は話の内容を理解できないので、反論される可能性は少なくなるし、反論してきても、それは間違っている! 専門家の私が言うのだから間違いない!! みたいに言えてしまったりもするからだ。
まあ、実際には、上記の様な効果を期待して、素人に説明が必要になったら専門用語で煙に巻くのが正解! みたいに言う人もいるかもしれない。
何故なら、どうせ、素人は専門技術なんかについて理解する事は出来ないのだから、理解させようとするなんてのは時間の無駄で馬鹿がやること! だからだ。
もっとも、作者の場合、東芝のオフィスコンピュータという、システム価格が数億円、みたいなコンピュータのハードウェア開発部門のエンジニアをやっていたので、15年程度のサラリーマン生活時代には、素人と話をしなければならない機会なんてのは、一回も、無かったかもしれない。
つまり、東芝というのは大企業だった訳なので、販売したコンピュータのメインテナンスなんかは系列の別会社がやっていて、ユーザーからの質問に対する対応だとかトラブル対応についても、まずは、そういった会社の専門部隊が対応してくれたので、もし、トラブルが深刻で、設計部門の応援が必要! という事になったとしても、設計部門が相手をするのは、基本的には、系列会社の担当者、つまり、専門家だった訳だ。
なので、作者的には、別に、専門用語を使っても良かったかもしれないのだが、コンピュータ関連の専門用語というのは多岐に渡るので、コンピュータの専門家! という人でも、専門分野が微妙に異なるだけで、通じない専門用語も多かったりする筈な訳だ。
と、言う事もあり、作者的には、サラリーマン時代にも、あまり専門用語は使わない事にしていたのだが、今現在は、メールで色々と質問を受けたりした場合、普通、相手は専門家ではないので、専門用語は使えない。
なので、一般用語で説明したりするので、作者の返信メールは、往々にして、長文になり、それを受け取った人は、辟易となって、二度と質問して来なくなったりもする。
と、言う事を鑑みれば、誰にでも通じる、多くの意味を代弁してくれる用語というのは、あってくれると助かるのだが、作者が若い頃には、「行間を読む」なんてワードは誰でも知っていた。
似た様な話としては、作者的には、新人研修の時に「上司に質問はするな!」みたいな事も言われた。
上記は、今時の忖度とは異なり「上司は忙しいから仕事を託すのだから、更に余計な時間を使わせるな!」、という、至極もっともな理由から必然となる事項を述べているに過ぎなかった。
もっとも、今時の人の中には、そんな自分勝手な事を言われても! と、怒る人がいるかもしれないのだが、上記は「行間を読む」というのと同様の話になる訳だ。
つまり、上司の立場に立てば「細々と指示を与えなければならないのなら、自分でやった方が速い!!」訳なので、やりたい事を言っておけば、それに向かって自分で考えて行動する様な部下でないのなら、そんな部下は邪魔だから要らない! という事になる。
まあ、部下的には、そんな人を育てる気がない様な上司がいる会社なんて将来はない!! みたいに思うかもしれないのだが、それは何とも言えないかもしれない。
つまり、会社のことを考えるのなら、使えない部下は使わない方が効率は上がるし、そんな部下は辞めてくれた方が会社の為にもなる! と、いった考え方も成り立つ訳だ。
なので、新人に対しては、敢えて、難しい課題を与えて放っておく! みたいな教育方針を採る上司がいたって、不思議でもなんでもない。
と、言う事で、長々とした言葉を使うのは効率が悪いので、短い言葉でコミュニケーションが成立するのが望ましいと言えば望ましい。
なので、某大臣なんかは、Twitterで「反ワク」なんてワードを使ったのかもしれないのだが、実際の所としては、大臣自身が、この「反ワク」という言葉の意味を理解できていなかったかもしれない。
大臣としては、国民の多くが、自分は「反ワク」ではない、と、自覚していると判断し、自分は、その「反ワク」ではない多くの国民と同じ側の人間だ! という事を強調する事で、国民からの支持を得たかった、と、普通は考えられる。
しかし、「反ワク」という言葉の意味としては、「陰謀論を根拠にワクチンに反対している人」という意味以外に、行間の意味として「差別用語」という意味合いもある訳だ。
つまり、上記のケースでは、国民に広くサービスを提供しなければならない筈の大臣が、差別発言を堂々とした事になったので、その後、アチコチで問題視され、「反ワク」ではない普通の一般国民からも、批判される事になった訳だ。
まあ、今日の表題にした様に、普通は、自分は「勝ち組」だ、だとか、「リア充」だ、みたいなレッテル貼をすると、自分はより上位の立場だから、という安心感が生まれたりもする筈だ。
だからこそ、某大臣的には、多数派である筈の一般国民の多くの支持を得る為に、敢えて、明らかな差別用語である所の「反ワク」なんてワードを使ったのかもしれないのだが、作者が中学生だった頃には、江戸時代の身分制度としては「士農工商・えた・ひにん」というのがあった、と、教わった。
つまり、普通なら、商人が最も身分が低いのだが、それだと、武士に金を貸したりして実質的には強い立場にあった商人が気分を害するので、その下に、敢えて、えた・ひにん、なんて身分も作って商人のご機嫌をとった! みたいに教わった。
同じ様な話としては、第二次世界大戦の頃、ナチスドイツが優生思想の立場をとったり、ユダヤ人を迫害したりした、という事もある。
と、言う事で、今の日本では、大臣が差別発言を堂々とやっても、罷免されなかったりしている状況なので、かなり危ない状況になってきている。
しかし、より危険なのは、一般人的には、そんなご時世だからこそ、レッテル貼をして、自分は大丈夫! という安心感を得たいと思っている、のかもしれない、という事になるのかもしれない、今日この頃だ。

