空いた時間でUbuntu
次は、Snapdragon X 搭載PCを購入して、Windows向けアプリのARMネイティブ版を開発していく事にしているのだが、購入は今週末かなあ、という事にしているので、空いた時間でUbuntuの状況を確認してみた。
作者はUbuntu向けにも色々とソフト開発しているのだが、そのウインドウシステムとしては、X Window、つまり、X.orgを想定していた。
しかし、最近のLinux界隈では、X Windowの開発を喜んでする人がいなくなった! という事で、代わりに、Waylandというウインドウシステムが開発されているので、X.orgの代わりに、このWaylandを採用するディストリビューションが増えてきた。
と、いうか、既に、メジャー所のディストリビューションは、Ubuntuも含めて、Waylandをデフォルトに据えている筈なのだが、今のところ、X.orgも使える様にはなっているので、作者製ソフトを使う時には、X.orgに切り替えて使えば、今現在は普通に使える状況だ。
もっとも、OSの提供者的には、二つのシステムをサポートし続けるというのは、X.orgのみだった頃と比べると、作業量が増えてしまうし、Waylandがデフォルトシステムとして採用される様になると、今までと比べても、より、X.orgをメインテナンスしたがる開発者はいなくなった訳だ。
その結果として、次バージョンでは、X.orgの搭載を廃止する! みたいに宣言し始めたディストリビューションも出てきている。
それはあまりにも過激でしょ? と、思った人もいる筈なのだが、Waylandには、X.orgのAPIを使用するソフト用に、Xwaylandというサブシステムも実装されていて、X.orgの普通のAPIを使っているソフトは、Wayland環境でも、動作させる事は可能にはなっている。
なので、X.orgの搭載を廃止して、Waylandの代わりにX.orgを使えなくしても、ユーザーが困ることはない! と、説明している専門家もいるかもしれないのだが、それは嘘だ。
何故なら、Xwaylandでは、X.orgが提供している画面キャプチャー機能は動作しないし、マウス・キーボードエミュレーション用の機能も動作しないからだ。
つまり、作者製ソフトでは、Xwaylandが使えたとしても、画面録画ソフトである所の「TiDesktopRecorder」も、スクリーンキーボードソフトである所の「TiKeyboardViewer」も、リモートデスクトップソフトである所の「Mirror-DTC Server」も、動作しない。
まあ、AGMPlayer/AG-ムービーカッター/TiWebCamRecorderなんかについては、WaylandがデフォルトになったUbuntu22.04LTSのタイミングで、前述のXwaylandを使用する格好に変更することで、Wayland環境でも動作する様には出来た。
なので、作者製ソフトとしても、Xwaylandのお陰で、全滅は免れてはいるのだが、作者的には、前述の3種類のソフト、中でも、Mirror-DTC Serverが動作しなくなるのは痛い訳だ。
しかし、Ubuntu22.04LTSのタイミングでは、Ubuntu純正のWayland向けリモートデスクトップソフトでさえ、マトモには動作していなかったので、作者的にも、相手にするのは時間の無駄だった訳だ。(「Ubuntu 22.04 LTS」が「リモート デスクトップ接続」に対応したらしい )
その後も、巷の殆どのサードベンダーは、Wayland対応なんてしていなかった筈だ。
つまり、X.org用に開発されたソフトは、そのまま、X.orgセッションに切り替えて使って下さい! みたいなスタンスを続けていたので、作者的にも、そんな対応にしていた。
しかし、Ubuntu24.04LTSでは、純正のリモートデスクトップソフトが使える様になった! みたいなネットの書き込みがあったので、今回、作者的にも、試してみた所、普通に使えることが確認できた。
また、スクリーンキャプチャーソフトについても、ダウンロードして動作確認してみた所、普通に動作したし、こちらについては、ソースコードからビルドしたバイナリで試しても、普通に、キャプチャーできた。
と、言う事で、UbuntuのWaylandも、それなりに使える状態になってきたかなあ、と、言う感じなので、作者的にも、前述のXwaylandでは対応できないソフトについては、何とかしておこうかなあ、と、思い始めた今日この頃だ。
ちなみに、上記の文章を見ていると、Waylandも順調に受け入れられてきた、と、思うかもしれないのだが、実際には、そんな事はない。
何故なら、Waylandの公式サイトでは、色々なモジュールなんかの開発状況が書かれていて、その中には、もう使えるモジュールも色々とある事になっていて、実際に、それを使っているソフトもあるみたいなのだが、Ubuntuでは、そんなモジュールは使えないからだ。
これは、そんなモジュールは、まだまだ、安定バージョンではない事になっているからで、安定バージョンのモジュールしか使わない方針になっているUbuntuでは、そんなモジュールは使えない訳だ。
その結果として、UbuntuのWaylandセッションで使えるリモートデスクトップソフトは長らく存在しなかったのだが、Ubuntu24.04LTSでは、自前のインタフェースを使ったリモートデスクトップ機能を完成させてきた訳だ。
つまり、現状、Ubuntu向けにリモートデスクトップソフトを開発すると、近い将来、使っているAPIが使えなくなり、Waylandが提唱しているAPIを使う構造に変更する必要が出てくる可能性もある。
もっとも、実際問題としては、そのシェアから鑑みて、デファクトスタンダードと言っても良い筈のUbuntuが採用しない事には、Waylandのモジュールが安定バージョンになる事もない筈だ。
つまり、Ubuntuが使用しなければ安定バージョンにはならないモジュールをUbuntuは安定バージョンになるまで使えないので、既に、Waylandの将来は詰んでいる、という事になる。
と、言う事で、Waylandが原因となって、Linuxのディストリビューションは2分化され、完全に双方の互換性がなくなる将来が見え隠れする今日この頃なのだが、作者製ソフト的には、そんな未来も普通にある事を想定して、Linux用ではなく、Ubuntu用としてきているので、作者的には、Ubuntuが採用するWaylandで動作すればOk! というスタンスだ。
しかしまあ、今のところ、UbuntuではX.orgはサポートされているし、他のディストリビューションの様に、X.orgの搭載は廃止する! なんて話も聞こえてこないので、完全なWayland対応は、Ubuntu26.04LTSの頃までに出来れば良いのかもしれない。
とはいえ、作者がその頃までこの世にいる可能性は、どんどん低くなってきている昨今なので、ARM版Windows用にソフト開発する前に、こちらを何とかした方が良いのかもしれない今日この頃だ。

